アスペルガー症候群の特徴と症状・治療法

社会相互作用における質的障害の症状と例

 

DSM-4による自閉症の症状は、1.社会相互作用における質的障害、2.コミュニケーションにおける質的な障害、3.行動、興味、および活動が限定され、反復的があり、そのうち1の社会相互作用における質的障害とは、具体的に次の4つの症状を言います。1.対人的相互関係を調整する非言語性行動の使用の著明な障害、2.発達水準に相応の仲間関係をつくることができない、3.喜びや達成、または興味を他人と分かち合うことがほとんどない、4.社会的または情緒的相互作用の欠如

 

このうち、3と4の症状についてその例をあげてみます。
参考:『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004
症状3喜びや達成、または興味を他人と分かち合うことがほとんどない

●自分の好きな活動、テレビ番組、おもちゃをひとりで楽しみ、他の人間を巻き込もうとはしない。

 

●活動、興味もしくは成し遂げたことに他人の関心を引こうとしない。
●褒められることにほとんど関心がないか、反応しない。

 

症状4社会的または情緒的相互作用の欠如

●他人に反応しない;「耳が不自由にみえる」
●他人に対する自覚がない;他人の存在に「気がつかない」
●孤独な活動を強く好む。
●他人のけがや、調子が悪くても気づかない;慰めようとしない。

 

社会的相互作用とは、他人とのやりとりをすることを意味します。上記のような症状と例をみると、自閉症という障害のなかでその重症度に幅があるだろう、ということは容易に察しがつきます。そして何より、その最も軽症度の端には、「正常」に限りなく近い症状があるということもわかります。そもそも「孤独を好む正常な人」と、「孤独を好むことが障害と判断される人」の違いとはいったい何か、と首をかしげたくなるのではないでしょうか?